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立川ブログ

2023年1月30日

「実家」

僕の母親、祖母は

京絞り着物つくりの職人でした

絵柄を描き、その絵柄を再現できるよう

「型紙」に手作業で1つ1つ穴をあける

そして完成した型紙を生地に

「アオバナ」という特殊で高価な染料にて

一気に刷りあげられ

素晴らしい絵柄が生地に見事に写し出された

幼少の僕は

工房にて遊んでいたことを懐かしく思う

期限が迫る時期には

夜な夜な

「トン、トン、トン」と

型紙に穴をあける音が響いたものだ

生地に刷りあげられた生地を

次は配色、そしてひと穴づつ手縫いで

ヒモにて縛りあげることで

見事な京絞り着物となる

全て手作業なので、当時から大変高額であった

出来上がった着物を

僕の父親が車に詰め込み北陸に出向き

公民館や漁村、展示会にて即売

今でいうBtoC販売

当時は娘や孫向けに良く売れたようだ

経営者である父親はよく

「車1台で1000万の売上をつくる」と

経営のケの字も知らない僕によく話していた

父親は当時から

「ルール化」と「仮説」が得意で

自分の経営信念を貫く人だった

普段はあまり息子と交わらない人で

父親のオヤジは

零戦のプロペラを作っておられた

京都にいる時は、ほぼ祇園に飲みに行き

夜中2時にタタキ起こされ

「お土産の寿司を食え!」と。。

眠いながら食べた寿司は

素晴らしく美味しかった記憶がある

家でお酒を飲むと

「経営は自分を貫くことや」

「人が遊んでいる時に働け」

「継続できないやつは何させてもアカン」

「働くざるもの食うべからず」

と1人演説をしていたが

父親は23年前に他界

母親も今年72歳

2年前に脳出血で倒れ、今はリハビリ

昨日介護サポートで実家に行った時

久しぶりに工房跡に足を踏み入れ

人が触らない

変わらぬ職人道具や型紙

そして作品集をみた

時代と共に売れる売れないはあれど

素晴らしいものはどんな時代に見ても凄い

本当に美しく感じた

父親から

「おー潤治!頑張れよ」

「おまえは、まだまだやな!」

と聞こえたような??

父上様、まだまだ精進します