立川ブログ
2020年1月27日
「セルフ・キャリアドックの事前段階」
おはようございます。
労務コンサルタントの立川昌子です。
ー上図 厚労省 職業能力評価基準を核とした
人材育成システムより引用ー
平成28年4月に職業能力開発促進法が改正され
労働者自ら職業生活設計を行うとともに
自発的に職業能力開発に
努める事が規定されました。
同時に事業主が講ずる措置として、
キャリアコンサルティングの機会を確保し、
その他援助を行うよう規定されています。
それを実現するためのノウハウが
セルフ・キャリアドックなのです。
それだけ聞くと
労働者のステップアップに
企業がお金を出すのは、転職率も高くなり
理にかなわないと思いがちです。
しかし、労働者がキャリアを意識することは
モチベーションの向上につながり、
企業にとっては人材の定着につながる
などウインーウインの関係性なのです。
そして大事なのは、
セルフ・キャリアドックを行なう前に
企業と個人が目指す方向性を再確認する事です。
その儀式がないと
単なる個人の「なりたい職業を目指しましょう」
で終わってしまいます。
企業の目指す経営理念に基づき、
各社員の目指すキャリアとすり合わせ、
お互いが対話をすることが大事です。
大袈裟にいうと、
「家庭と仕事両方を大事にしたい」
と思っている社員に
「色々な支社に出向いて、
我が社の将来を担って欲しい」
と一年毎の転勤を命じる。
社員の目指す方向と会社の期待度が
すれ違っているので「辞めます」につながる。
決して、社員の希望だけを聞かないといけない
という事ではなく、
社員の大切にしてる価値観、目指すキャリアと
会社がその社員に何故特別な期待をかけているか
対話をすることで、
お互いの妥協点が見つかるのです。
皆さん、部下への異動命令を
「まあ、勉強してきて。」と
理由も説明せずに伝えていませんか?
これから異動の時期です。
是非、何故異動になったのか、
キャリア育成をもとに説明してあげてください。
社員自身が会社の方向性、
期待する役割を知ること。
社員自身が他者において承認されている、
社会の中で役割を与えられていると認識する事
このことは、
自己概念と他者から見られる自己が一致し
非常に安定した心理状態になるのです。
まずはお互いを知り、
目標を定める事から始めましょう。